
1日100回の「ダメ!」が半分になる、言い換えのコツ
2026-08-03
はじめに
「ダメ!」「やめて!」「走らない!」
気づいたら、今日もこればっかり言っている。
夕方には自分の声にうんざりして、「私、禁止ばっかりしてるな……」と落ち込む。そんな日、ありませんか。
先に言っておくと、「ダメ」と言ってしまうこと自体は悪いことではありません。危ない場面では必要な言葉です。
ただ、「ダメ」には1つ、致命的な弱点があります。
子どもに「じゃあどうすればいいか」が伝わらないんです。
「走らない!」で走るのをやめられない理由
小さい子どもの脳は、「〜しない」という否定形の指示を処理するのが苦手です。
「走らない!」と言われた子の頭には、まず「走る」のイメージが浮かびます。そこから「それを打ち消す」という2段階の処理が必要で、これが幼児にはとても難しい。
大人でも「緊張しないで」と言われると余計に緊張しますよね。あれと同じです。
だから、伝わりやすいのは**「してほしい行動」をそのまま言うこと**。
- 「走らない!」→「歩こうね」
- 「触らないで!」→「手はおひざね」
- 「大きい声出さない!」→「アリさんの声でお話しして」
否定形を肯定形に変える。これだけで、子どもの動きが変わることは保育の現場でも本当によくあります。
「ダメ」を取っておくために、減らす
もう1つ大事な理由があります。
「ダメ」を1日中使っていると、本当に危ない時の「ダメ!」が効かなくなるんです。
飛び出しそうな時、熱いものに触りそうな時。ここぞという場面で最大の効果を発揮させるために、日常の「ダメ」はできるだけ言い換えて節約しておく。
「ダメは非常ボタン」と考えると、使いどころが見えてきます。
今日から使える言い換えリスト
よく使う場面の言い換えを置いておきます。全部やらなくて大丈夫、1つ気に入ったものからどうぞ。
- 「こぼさないで」→「両手でしっかり持とうね」
- 「散らかさないで」→「遊んだやつ、この箱に入れてね」
- 「叩いちゃダメ」→「やめてって口で言おうね」
- 「まだ食べちゃダメ」→「みんな座ったら、いただきますしようね」
- 「置いてくよ!」→「玄関で待ってるね。一緒に行こう」
コツは、その場面の「正解の行動」を映像として思い浮かべて、それをそのまま言葉にすることです。
言い換えても聞かない時は
「歩こうね」と言っても走る。もちろん、あります。言い換えは魔法ではないので、そこは正直にお伝えします。
言い換えが効きにくい時のチェックポイントは2つです。
**1つ目は、距離。**部屋の向こうから声だけ飛ばしても、子どもには届きません。そばまで行って、目の高さを合わせて、できれば肩に手を置いて伝える。声かけの効果は、言葉の中身より「届く距離で言えているか」で決まる部分が大きいです。
**2つ目は、そもそも聞ける状態か。**眠い・お腹が空いた・興奮しすぎている時は、どんな言葉も入りません。その時は言い換えを工夫するより、「一回抱き上げて場所を変える」「先におやつにする」など、状態を整えるほうが先です。
言い換えは「聞ける状態の子に、分かる形で伝える」ための技術。効かない時は、言葉より状態を疑ってみてください。
言い換えられない日があっても大丈夫
疲れている日は、言い換えなんて考える余裕はありません。「ダメ!」を連発してしまう日も、普通にあります。
そんな日は、寝る前に1つだけ。
「今日いっぱい怒っちゃったけど、大好きだよ」
言い換えの技術より、この一言のほうがずっと大事です。
おわりに
「ダメ」を禁止する必要はありません。減らして、ここぞという時のために取っておく。
そして減らすコツは、「してほしい行動」をそのまま言うこと。
明日、1回だけ試してみてください。「走らない!」の代わりに「歩こうね」。
今日も、おつかれさまでした。
めろん|保育士資格・保育士経験10年以上。5歳・6歳の娘を育てるママ。保育士の視点と母の視点から、子育てが少しラクになる話を書いています。
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