
絵本を読んであげられなかった日の、罪悪感について
2026-07-31
はじめに
「読み聞かせは毎日がいい」
そう聞いたことがある方は多いと思います。だからこそ、疲れて1冊も読めずに寝かせてしまった夜、小さな罪悪感が残る。
「今日も読んであげられなかった」
「絵本、最近ぜんぜん開いてないな」
今日は、テクニックでも選び方でもなく、この罪悪感の話をしたいと思います。
「毎日読むこと」は目的ではありません
まず、いちばん伝えたいことから。
読み聞かせの目的は、「絵本って楽しい」「読んでもらえるって嬉しい」という気持ちを育てることです。
毎日読むことは、そのための手段であって、目的ではありません。
疲れ果てた親が、義務感で、ため息まじりに読む1冊と、余裕のある夜に、楽しく読む1冊。子どもに届くものが多いのは、後者です。
**読めない日に無理して読むより、読める日に楽しく読む。**そのほうが、絵本の時間はいいものとして子どもの中に残ります。
絵本の効果は「累積」で考えていい
読み聞かせの効果は、毎日連続で読んだかどうかではなく、長い期間でどれだけ「楽しい絵本の時間」が積み重なったかで決まります。
1週間毎日読んで燃え尽きるより、週に2〜3回を何年も続けるほうが、トータルの積み重ねはずっと大きくなります。
3日空いても、1週間空いても、また読めばいい。絵本は逃げませんし、それまでの積み重ねが消えることもありません。
「読む」以外の形でも、絵本の時間は作れる
余裕がない時期は、こんな形でも十分です。
- 子どもが1人でめくっているのを、そばで見守る——読んでもらわなくても、絵本に触れる時間になっています
- 移動中や湯船で、絵本の話をする——「あのオオカミ、今ごろどうしてるかな」だけでも、お話の世界は続きます
- 読み聞かせアプリや朗読音声に頼る日があってもいい——毎回でなければ、立派な味方です
「ちゃんと読んであげる」のハードルを下げておくと、絵本との付き合いが長続きします。
「読めなかった罪悪感」が強く出やすい人へ
真面目な方ほど、「毎日読むべき」という情報を強く受け止めて、読めない自分を責めてしまいがちです。
もし罪悪感が続いてしんどい時は、視点を変えてみてください。読み聞かせは、子どもの発達にとって「あれば望ましいもの」であって、「なければ致命的なもの」ではありません。話しかける、一緒に笑う、抱きしめる——日常の関わり全体が、子どもの言葉と心を育てています。絵本はその中の一つの手段に過ぎません。
読めなかった日があっても、その日子どもと交わした言葉、一緒に過ごした時間は、ちゃんと残っています。絵本だけが特別な魔法の道具、というわけではないのです。
絵本との付き合い方で、大事にしたい5つのこと
絵本まわりの悩みには、共通する考え方があります。5つにまとめました(それぞれ、別の記事で詳しく書いています)。
- 同じ絵本の繰り返しは、学びの宝庫——「また?」は「もっと」のサイン
- 最後まで聞けなくても大丈夫——姿勢より「楽しかった」で終われたかどうか
- 自分で読める子にこそ、読んであげて——卒業の日は子どもが決めてくれる
- 選び方の基準は「その子が好きかどうか」——名作リストより「もう1回!」の1冊
- 読めない日があっても、積み重ねは消えない——この記事でお話ししたこと
全部に共通するのは、「こうあるべき」を手放すほど、絵本の時間は楽しくなるということです。
おわりに
絵本を読んであげられなかった夜、罪悪感を感じるのは、あなたが絵本の時間を大事に思っている証拠です。
その気持ちがあれば、大丈夫。
明日でも、週末でも、また1冊、読める時に読んであげてください。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
今日も、おつかれさまでした。